忘れられない光景

前の記事でも「自分のたてる音は心の現れ。」と言ってきた。

今でも忘れられない光景がある。
それは、幼少の時にうちに毎年来ていた曹洞宗の和尚さんである。
和尚さんは美しい身なり(着物は紫に金粉が舞っているような感じ)をして
仏壇の前に静かに座り、バチを持っておりんをチーンと鳴らす。
その鳴らした後の行動がずーっと今でも脳裏に焼き付いている。

和尚さんは音を立てずにそっとバチを置くのだ。
そっと音を立てずに置く行動に、なぜか心の静寂を感じたものである。
考えてみれば、和尚さんはバチの置き方のみならず、すべての行動が丁寧だった。
今、この年になってあの時の和尚さんの行動が理解できた気がする。

私もおりんを持っているので、毎朝バチを使ってボーンと鳴らす。
しかしバチを持つ木の部分をどこかしらにぶつけてしまう。
扱いが雑なのだ。
そして意識が手先まで向いていないのだ。
食器を洗う時もたいていどこかにカツっとぶつけて音をだしてしまう。
いかんいかん。

自分の出す音は「心の現れ」
歩くとき、物を扱う時は丁寧に、そして静かに心落ち着かせて生きようと思う。




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